ラストオブアスパート2のディーナをキリスト教的に解説してみた【その2】

ディーナ ラストオブアス

ゲーム開始直後からディーナがユダヤ教徒であることが示唆されている

ディーナ

ラストオブアスに出てくる主人公エリーのパートナーディーナはキリスト教の元になった宗教で、キリスト教国アメリカでは少数派であるユダヤ教徒であることがゲームの途中で明らかになります。日本ではなじみの薄いユダヤ教徒(ユダヤ人)ですが、実はゲームの舞台であるアメリカ人にはゲーム開始直後から、ディーナはユダヤ教徒ではないかと推察できるようにつくられているのです。

まず、「ディーナ」という名前からしてそう

まずはディーナという名前です。

キリスト教は歴史上ユダヤ教から派生して生まれたとされています。そして、ユダヤ教、キリスト教共通の教典である旧約聖書に「ディーナ」の名前があるのです。ユダヤ人の父祖にして、現在の国名でもある「イスラエル」という二つ名を神様からもらったとされるヤコブ、旧約聖書ではこのヤコブは12男1女を設けますが、その一人娘がディーナ(ディナ)だとされています。(旧約聖書創世記30章21節)そして、名前の意味やヘブライ語(ユダヤ人の母語)で正義とか公正という意味です。

※正確には聖書のディナは綴りが「Dinah」で、ゲームのほうのディーナは「Dihna」で綴りがちがうのですがもともと、聖書のディナはヘブライ語からの転写であり、また無声音なので音の脱落や表記乱れがままあります。

 凄いですよね。ざっと4000年前の民族のご先祖様の名前が今も遜色なく使えるなんて…

 日本だったら、1400年前の大化の改新の時の人物名を現代でつけてカマタリ君とかイルカ君とかイモコ君とかにすれば絶対に違和感が出る者なのですが、聖書の人物名は時代を感じさせない普遍的な名前なんですね。

ユダヤ人であることをにおわせるディーナの容姿

 あるゲーム実況者がこのラストオブアスパート2をプレイしていた際、ディーナをみて、その見た目からクレオパトラとあだ名をつけていました。たしかにエジプトの女王クレオパトラは鼻の高い美人だったという逸話があるほどですから、ディーナのはっきりとした眉毛、立派な鼻、黒髪等からイスラエルの隣国エジプトの女王クレオパトラのように見えたためにそのようにあだ名したのでしょう。しかし、これらの外見的特徴は一般にユダヤ人の特徴ともいわれています。 ただ、ゲーム中ディーナの容姿について各キャラクターが触れることはありません。容姿について直接言及することは日本以上にアメリカでは失礼に当たることが多いですし、日本で「鼻が高いね」というのは一般に誉め言葉かもしれませんが、欧米では大きすぎる鼻は魔女を連想されたりして、あまり良い印象を持たれず。わざわざ鼻を低くする整形をする人さえいるほどです。


 これら、大きな鼻、太い眉毛、黒髪のステレオタイプのユダヤ人も勿論いますが、ユダヤ人というのはその民族の歴史において何千年も前に民族が世界中に離散したので、現在のユダヤ人はこれでも一つの民族かと思うほどその容姿は他の民族よりもはるかに多種多様です。

主人公エリー(左)とパートナーのディーナ(右)ラストオブアスパート2公式ホームページより引用

次回はシアトルのユダヤ教の教会(シナゴーグ)に行ってからの主人公エリートのやり取りからわかることをお伝えしたいと思います。

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